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香椎浜留学生会館 「みんなの家」
 
 
九州大学香椎浜留学生会館( 留学生寮)には、学生たちがいつでも自由に使える共用の場所が乏しく、短期間しか滞在しない彼らがコミュニケーションを広げる機会も限られていた。そこで私たちは、仮設の「香椎浜みんなの家」をみんなで作ることによって、学生間のコミュニケーションの場所と機会を同時に生み出すことを目指した。プロジェクトは、2 0 1 3 年8 月に準備を始め、1 4 年1 月始めの竣工まで多くの学生、教員、スタッフが協力して進められた。建築費が限られていたため、主な建築材料として竹を使うことにした。竹は非常に強度も高く軽量なため、学生でも加工や組み立てが難しくないし、大学内にも大量に自生しているので採取も問題はない。耐久性は乏しいものの、仮設建築物としては充分使える。ただ建築構造材料としては不明な部分が多いため、構造実験で性能確認しながら設計・施工を進めた。

 ブレインストーミングから企画、設計、材料入手、施工とプロジェクトの進行伴ってワークショップを開催した。こうした一連の活動の様子は逐次ビデオカメラに記録し、参加者のコミュニケーションの変化を分析した。徐々に学生のネットワークが広がり、コミュニケーションの核になる学生が出てくる様子や、一つのものを建築するという共同作業が、参加者に強い責任感や連帯感を芽生えさせる様子が見て取れた。

 

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